住職をしていた母が突然永眠致しました。
父は昭和45年に亡くなっており、母は父の死体遺志を継ぎ、第44世覚本寺住職として寺を守って参りました。両親とも出家しておる身である為、いわゆる「三国家」として同じお墓に入ることは出来ません。その為、歴代住職墓地に仲良く並んでお墓を建立することになります。
別々とはいっても、父と母は夫婦だった訳ですから、なるべく父の墓と同じような五輪塔(※)を77日忌までに建立する予定となりました。
そこで石材店を選ぶに当たっては、仕事が丁寧かつ誠実で謙虚、信仰心の深い店主ということが条件になって参ります。
私共は大豆生田様のお人柄、誠実さ、信仰心には日頃から信頼をお寄せしておりましたので、迷わずお願いすることに決めました。
墓石の角を少し丸くすることによって女性らしくというご提案などのお心遣いを頂き素敵な五輪塔が出来上がりました。
水輪の球の部分は母が微笑んでいるような気が致します。これも仏縁によるものと母も喜んでいると思います。本当にありがとうございました。
私たちは大豆生田社長のお人柄、誠実さ、信仰心に日頃から信頼を寄せていました。
こだわりのポイント
三国様には、「父と母が夫婦であったことをカタチにしたい」という思いがありましたので、亡きご主人の隣に、同じ五輪塔を少し小さめにして建立いたしました。「同じ形の五輪塔…」でというご要望がありましたので、あえて同じ形にした上で、大きさは女性らしく少し小さくしました。
また、かどを曲面にすることで女性らしさを表現し、材質もご主人と同じ小松石にこだわりました。
二基の五輪塔が寄り添うように並んでいるところを見ますと、うまく調和が保て、ご夫婦の生前の仲の良さを感じていただける墓石となったと思います。
匠 の 技
五輪塔というのは、五つの部分から成る供養塔で、下から地輪は方、水輪は球、火輪は三角、風輪は半球、空輪は宝珠形で、万物を構成する地(ち)・水(すい)・火(か)・風(ふう)・空(くう)の五つの要素を表しています。制作過程において、熟練のワザが大変要求される高度な墓石といえます。
1つひとつの作業を丁寧に、そして信仰心をもってあたります。そんな私達の姿に、三国様も安心していただけたようでした。墓石作りは積木を積み上げるような作業ではありません。当社は、スタッフ全員が先祖供養の精神をもって、誠実にお墓をお作りします。
こよなく愛された作詩活動「終止の譜」